大家さんはまずこれを知っておこう

アパート・賃貸マンション経営を行なう上では、火災や地震といった災害リスクへの対応策として、「損害保険」に加入することが重要です。損害保険には、「火災保険」や「地震保険」、「施設賠償責任保険」などがあります。大切な財産を守るためにも損害保険を積極的に活用し、不測の事態に備えておきましょう。

「火災保険」をかける際のポイント

アパート・賃貸マンションを経営する上で、まず入っておきたいのが「火災保険」です。火災保険は、かけ方によって補償内容が大きく異なりますので、その仕組みをよく理解した上で、最も補償内容が充実したものを選びましょう。

火災保険とは

「火災保険」とは、火災やその他の災害などによって、建物や家財、事業用建物における什器や備品などに損害を生じた場合に、その損害を補償することを目的とした保険です。補償の範囲や内容は、対象となる物件の種類や各保険会社によって異なります。

  • 地震により、建物や家財に損害が生じた場合には、保険の対象外となります。補償を受けるためには、別途「地震保険」に加入する必要があります。

保険金額を決める際のポイント

火災保険の保険金額(契約金額)を決める際には、対象となる建物と同等のものを新たに建築、あるいは購入するのに必要な金額である「時価」に注目します。
住まいを対象とした火災保険では、保険金額が「時価」の80%相当以上になっていれば、実際の損害額が契約金額を限度に支払われる仕組みになっていますが、保険金額が「時価」の80%に満たない場合は、損害額が全額補償されることはありません。そのため、火災保険は「時価限度額」または、80%以上まで契約しておくと良いでしょう。

≪ 火災保険支払の計算方法 ≫

「家賃補償特約」を利用する

万が一、火災が発生してしまった場合、火災保険に加入していれば建物に対しては一定の補償が受けられますが、建替えまでの間の家賃収入は補償されません。
そのため、火災発生時における家賃の損失に備えて、火災保険の特約のひとつである「家賃補償特約」を付けておくことをおすすめします。

≪ 主な家賃補償特約の内容 ≫

家賃補償特約の
内容
契約時に定めた家賃補償期間(約定復旧期間)の範囲で、火災保険によって建物を元通りに再築するまでの間に発生する、家賃の減収額が支払われる。
支払金額 建物の家賃月額に、家賃補償期間を乗じた金額が支払金額となる。ただし、水道・ガス・電気などの使用料や権利金・礼金・保証金(敷金)などの一時金などは、家賃に含まれない。

「火災保険」に加えて「地震保険」も必要な時代に

日本は、世界でも有数の「地震大国」です。近年では、各地で大地震による被害が発生しており、地震に対する備えは必要不可欠なものとなっています。そのうちのひとつが、居住用建物の地震被害を対象とした「地震保険」です。火災保険とセットで加入するものが一般的ですが、現在、火災保険に加入中の方は、そこに「地震保険」を加える形で加入することもできます。

地震保険の補償範囲

地震保険の対象となるのは「居住用建物」と「家財」の2種類で、補償額は、居住用建物が5,000万円、家財が1,000万円を限度として、火災保険の補償額の30%〜50%となります。
なお、補償される損害の範囲は、一般的に次のようになります。

≪ 地震保険の補償範囲 ≫

全 壊 保険金額の全額が支払われる
半 壊 保険金額の50%が支払われる
一部損壊 保険金額の5%が支払われる

地震保険の加入状況

日本国内における地震保険の世帯加入率は、阪神大震災の前は7%程度でしたが、現在では20%にも達しています。
特に大地震の発生が懸念される地域ほど世帯加入率が高く、2006年度末の時点では、世帯加入率が高い順に、愛知(31.8%)・東京(28.5%)・宮城(27.7%)・神奈川(27.2%)という結果が出ています。

地震保険の割引制度

地震保険は、建設した年や建物の耐震等級に応じて割引が適応されます。

① 建物年割引…昭和56年6月1日以降に新築された建物は、10%割引されます。
② 耐震等級割引…住宅の耐震等級に応じて、10〜30%割引されます。

≪ 住宅性能表示制度の「耐震等級」別の割引率 ≫

偶然の事件・事故に必要な保険

アパート・賃貸マンション経営は長期間にわたるため、その間には偶然の事故や事件などが発生して、経営に支障が出る可能性もあります。これらのリスクに対しても、保険で備えることができます。
その代表的なものが、アパート・賃貸マンションの壁が剥落(はくらく)してケガを負わせるなど、建物管理上の不備によって、入居者様や近隣住人に対して賠償責任が発生した際の損害を補償する「施設賠償責任保険」です。取扱う保険の種類によっては、火災保険の特約として契約することができたり、入居者様によって建物内部が破損された場合、及び空調・給湯設備が故障した場合などに補償が受けられるものもあります。
この他、自殺や他殺などが原因で、空室になった場合の家賃を補償する保険もありますので、加入しておくと安心です。